追いかけられる夢って、目が覚めた後もしばらく心臓がバクバクしますよね。
走っても走っても足が重い。声が出ない。助けを呼べない。
そして何より、「なんでこんな夢を見るんだろう」と気になってしまう。
私は、追いかけられる夢は”怖い夢”というより、心が自分を守ろうとしている夢だと考えています。
その守り方の代表が、回避です。
ここでは「追いかけられる夢=回避心理」という視点で、できる限り丁寧に、深く掘ります。
1.回避心理とは何か(ざっくり言うと”心の回り道”)

回避心理は、簡単に言うとしんどいものから距離を取る反応です。
- 直視すると傷つきそうなこと
- 失敗したくないこと
- 怒られそうなこと
- 関係が壊れそうなこと
- 自分の弱さが見えそうなこと
こういうテーマがあると、人は”向き合う”より先に”避ける”を選びます。
避けること自体は悪ではなく、むしろ自然な自己防衛です。
私は回避を「弱さ」ではなく、”今の自分を守るための知恵”だと思っています。
ただし、回避が長く続くと、心は別の形でサインを出します。
それが夢の中での「追跡」です。
2.追いかけられる夢が生まれる流れ(心のメカニズム)
追いかけられる夢は、大体この流れで起きやすいです。
- 現実でプレッシャーや不安が溜まる
- でも、それを考えたくない(回避する)
- 日中に処理できない”感情の残り”が眠る
- 夢の中で「危険」として映像化される
- 追いかけられる=”逃げたい”が形になる
ここで大事なのは、追いかけてくる「何か」が、現実の誰かそのものではなく、あなたの中の”避けているテーマ”の象徴になりやすいことです。
私はこの夢を「心の未処理フォルダが、夜に開く瞬間」だと捉えています。
3.”誰におわれたか”で変わる意味(追跡者=テーマの顔)

追いかけてくる存在は、だいたい次のどれかに当てはまります。
①知っている人(上司・家族・知人)
→対人関係の緊張、評価不安、言えない本音
逃げる相手が身近なほど、「言えない」「逆らえない」が溜まっていることが多いです。
②見知らる人・不審者
→理由のない不安、漠然とした恐れ、将来不安
相手の顔がはっきりしないほど、”正体不明の不安”が大きい。
③動物(犬・蛇・ライオンなど)
→本能、恐怖、攻撃性、エネルギー
動物は理屈じゃなく感情で迫ってくるので、ストレスが強いと出やすいです。
④モンスター怪物
→肥大化した不安、トラウマ、罪悪感
「実体のないのに大きい恐れ」が、怪物として現れやすい。
⑤啓作・組織・集団
→ルール・責任・社会的プレッシャー
「ちゃんとしなきゃ」に追われているときに出ます。
私の感覚では、追跡者は”敵”というより、あなたが避けたままにしている課題が、形を変えて迫ってきた姿です。
4.”どこを逃げたか”でわかる、あなたの回避パターン

夢の舞台もヒントが多いです。
学校
→評価・比較・恥・劣等感
「できない自分をみられたくない」気持ちが潜んでいることがあります。
職場・施設・病院っぽい場所
→責任・期待・対人疲れ
特に介護現場みたいに”人の目”と”時間が”が強い環境だと、追われる夢の材料が溜まりやすいです。
家・実家
→安心したいのに安心できない
家の夢で追われるときは、”休む場所”が心の中で足りていないことがあります。
夜道・路地・迷路
→出口が見えない不安
考えすぎて整理できていない状態が出やすい。
私は「逃げる場所=あなたが逃げ込もうとする場所」だと見ています。そこが安全じゃない夢なら、現実でも”安心の土台”が弱っているサインかもしれません。
5.夢の結末が一番大事(回避が成功したか。途中で止まったか)
追いかけられる夢は、結末で意味が分かります。
①逃げ切れた
→回避でひとまず守れた/問題を小さくできた
現実でも「距離を取る」「先延ばし」が効いている状態。ただ、根本解決はまだ。
②捕まった
→回避が限界/向き合うタイミング
私はこれを”心の最終通知”みたいに感じます。捕まる夢が続くときは、休息や整理が必要なことが多い。
③途中で目が覚めた(最も多い)
→心がギリギリでストップをかけた
ここは私はすごく重要だと思っていて、「現実のストレスを抱えたまま、睡眠の中でも緊張が続いている」ことが多いです。
④反撃した・立ち止まった
→回避から”対峙”へ切り替わり始めた
ここに変わってくると、現実でも少しずつ整理が進むことがあります。
6.なぜ”足が動かない”のか(あのもどかしさの正体)

追いかけられる夢の定番、「足が重い」「走れない」。
私はこれを、行動したいのに、心がブレーキを踏んでいる状態の比喩だと思っています。
- 断りたいのに断れない
- 言いたいのに言えない
- 変えたいのに変えるのが怖い
こういう”葛藤”があると、夢のなかで身体が動きづらくなりやすい。
夢は不思議ですが、心の矛盾をかなり正確に表現していると思います。
7.回避心理の”中身”は1種類じゃない(追いかけられ夢の根っこ)

回避の中身は人によって違います。代表的な根っこを挙げます。
①評価不安(嫌われたくない・怒られたくない)
「失敗=価値が下がる」と感じていると追われやすい。
②責任過多(背負いすぎ)
まじめな人ほど追いかけられやすい
”やること”ではなく”背負っている気持ち”追われる。
③怒りの抑え込み(言えない怒り)
日中に抑えた怒りは、夜に形を持つことがあります。追跡者が”攻撃性”を帯びやすい。
④罪悪感(やらなきゃ・申し訳ない)
自分を責める癖が強いと、追跡者が”裁く存在に”なりがち
⑤トラウマ・強い記憶
同じ夢が繰り返される場合は、過去の怖さが再上映されていることもあります。
私はここでいつも思うのが、追いかけられる夢は「あなたが弱い」んじゃなんくて、あなたが頑張って耐えてきた証拠だということです。
8.追いかけられる夢を見た後、現実で整える方法(回避を”悪者”にしない)

回避をやめろ、とは言いません。むしろ回避は必要です。大事なのは”回避の量と方向”を整えること。
①夢を1行だけでいいから書く
- 誰に追われたか
- どこで逃げたか
- どんな気持ちだったか
これだけで、夢が「意味不明な恐怖」から「整理できる情報」に変わります。
②”避けているテーマ”に名前を付ける
例:
- 「怒られたくない」
- 「失敗したくない」
- 「嫌われたくない」
名前が付くと、正体不明の追跡者が弱まります。
③小さく向き合う(1ミリだけ)
真正面から突っ込む必要はないです。
メール1通返す、5分だけ整理する、メモに書くだけ。
”回避100%”を”回避90%”にするだけでも夢は変わります。
④体の緊張を落とす(夢は体にも出る)
追いかけられる夢の人は、寝ている間も方やあごが硬いこと多いです。
私は、寝る前に「肩を3回回す」「深呼吸を3回」だけでも十分だと思っています。
9.私はこう考える
私は、追いかけられる夢は「怖い夢」ではなく、心が”限界の手前”を教えてくれる夢だと思っています。
逃げるのは悪じゃない。逃げることで守られた自分がいる。でも、追いかけらえる夢が続くときは、「守り方を変えよう」という合図なのかもしれないと。
追跡者の正体は、あなたを壊す敵じゃなくて、あなたが避けたまま置いてきた”気持ち”の姿。
その気持ちに、少しだけ名前を付けられたら、夢は少しずつ追いかけてこなくなると思います。


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